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2010年 12月 13日
北條 勝貴(ほうじょう かつたか) 日本古代史 〈2010年度版〉 自然環境と人間との関係を研究し始めたことについては、世間にアピールできる正当な理由があるわけでも、何か心を動かされる契機があったわけでもない。これまで経てきた紆余曲折の結果、そこに辿り着いたというだけに過ぎない。しかし、親兄弟は「君はけっきょく学問でも“そういうこと”をするんだね」と云うので、幼い頃からその片鱗はあったのだろう。 それで思い出すのは、以前飼っていた“マル”という犬のことである。私の生家は浄土真宗の寺院で、鎌倉郊外の農村にあった。1970年代の半ば頃、周辺の山や田畑が宅地化してゆくなかで飼い犬の数も増えてきたため、保健所の要請で、境内を狂犬病の予防接種会場に開放していた時期があった。マルは子犬のとき、その保健所の職員が連れてきたものか、あるいは予防接種を受けにきた誰かが置いていったものか、いずれにせよ不意に現れて寺で飼われ始めた。秋田犬の血を引く彼はぐんぐん大きくなり、番犬として申し分ない役割を果たしたほか、ときには私や兄弟を追いかけ回し、参拝客にもにらみを利かせていた。数年後のある夕方、私が小学校から戻るとやはり不意に姿を消していた。親は「保健所の職員が連れていった」と云うのだが、その理由が何だったのかは正確に覚えていない。しかしそれ以後、動物や植物を主体に据えた書物や物語に関心を持ち、戸川幸夫、ジャック・ロンドンらの作品にはまっていったのは確かである。 現在、ペットブームの裏で年間40万匹に及ぶ犬猫が殺処分されており、さらに7億羽の鶏、1600万頭の豚、126万頭の牛が食用として屠殺されている。マルは一体どうなってしまったのか。そのあたりの疑問が、自然環境と人間との関係に興味を持ち始めたきっかけかも知れない。 (2009年3月) ※こちらもご覧ください!
by history-sophia
| 2010-12-13 12:57
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