2022年 05月 01日
今年度より、上智大学史学科で「西洋中世史」を担当しております山本成生です。こんにちは。 さて、上智大学の史学科では2年次より「プレゼミ」と呼ばれる少人数の授業を履修し、専任の先生の指導のもとで卒論に向けての勉強をおこなっています。 今日は、私が担当している授業でおこなった実習形式の内容をご紹介します。上智大学はとても優れた付属図書館を有しており、大量の蔵書のみならず、非常に貴重な書籍も多数所蔵されています。そこで、グーテンベルク『四十二行聖書』(複製版)とルター訳『ドイツ語訳聖書』(1560年出版、1674年装丁のオリジナル)を使って、グループワークをおこないました。 史学科の学生たちはまず2つのグループに分かれ、図書館のカウンターで上記の二冊を受け取ります。ただしその際、書名等の情報は一切伏せておきます。貴重書を閲覧室に運び、各グループで本の外見や中身をチェックし、そして図書館のデータベースなどを参照しながら、基本的な書誌情報をまとめてもらいます。 その上で、聖書のある場面に描いた絵画(ヴェロッコ=ダ・ヴィンチによる「受胎告知」とニコラ・プッサン「キリストと罪の女」)を(同じく周辺情報を伏せて)見てもらい、該当する場所をそれぞれの聖書から探してもらいました。 ご存知の通り、グーテンベルクの聖書はラテン語、ルターは(いわゆる「ひげ文字」による)ドイツ語で記されています。上智大学は語学に力を入れており、ラテン語の授業も受けることができます。学生のなかにはラテン語やドイツ語の授業を履修している人もいましたが、多くはよくわからない状態です。しかし、日本語聖書やグループワークを通じて見事、所定の場所を当てることができました(これには正直、驚きました)。 なお、上智大学は今年度より対面を基本とした授業をおこなっております。こうしたグループワークを通じてこれまでなかなか交流する機会が乏しかった学生たちが和気藹々と作業している姿は、とても輝かしく見えました。 大学で歴史学を本格的に学びたいと考える学生さんにとって、上智大学の史学科はうってつけだと思います。興味をもたれた方は、オープンキャンパス(8月2日)に参加をされることをおすすめします。 山本成生
by history-sophia
| 2022-05-01 09:00
| 教員・学部ゼミ紹介
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