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上智大学文学部史学科

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2020年 12月 29日

2020年度卒業論文発表会のお知らせ

2021年1月16日(土)13時30分より開催します。
※ZOOMミーティングルームのURL等については、LOYOLA掲示板の案内、各所属ゼミ教員からの指示等に従ってください。

【Aグループ】アジア・日本史系
丸山 里奈 :「近代公娼制の変遷と現在」
真鍋 里桜 :「日本における少年法の歴史的展開と今後の在り方 ―少年法適用年齢引下げの議論をうけて― 」
BAI TIANYE :「淮軍剿捻に関する一考察 ―李鴻章の剿捻政策と淮軍の戦法革新を中心に― 」
溝畑 乃梨 :「近世河川舟運と商品流通 ―武州新河岸川舟運の事例― 」
輪千 友紀 :「劉邦集団の考察 ―韓信を中心に― 」
茂木 有希 :「院政期飲酒史断章 ―頼長は「飲めない」のか、「飲まない」のか― 」
岡田 紗季 :「富士山と神仙思想 ―『竹取物語』を中心に― 」

【Bグループ】ヨーロッパ・アメリカ史系
有泉 朋花 :「古代ローマの三人の詩人から見る「感性」の変化について ―『ローマ人の愛と性』の再検討― 」
関口 麻緒 :「財産権と相続からみる中世後期ヴェネツィア社会の中の女性」
大塚 萌  :「イングランド宗教改革におけるメアリ1世再考」
大橋那々子 :「19・20世紀転換期のイギリス女性参政権運動 ―女性社会政治同盟(Women's Social Political Union)機関誌と新聞報道― 」
沖村 皓平 :「武装親衛隊の義勇兵 ―フィンランド人の場合― 」

※岡田報告は事前に録画された動画を視聴する形式で行われました。そのため、報告会当日に質疑に応答することはできませんでしたが、以下のように回答がありました。

Q:富士山が月に代わって神仙世界としての機能を持つようになったとありましたが、「富士山縁起」以降は、月はもう神仙世界としての意味を失ってしまったのでしょうか。
A:富士山縁起以降、月が神仙世界としての機能を完全に持たなくなったということはないと考えています。そもそも本論文は、富士市のかぐや姫伝承にて『竹取物語』では神仙世界としての機能を担っていた「月」が「富士山」に置き換えられていたことに着眼し、その背景を探ることを目的としています。そのため、中世以降については富士市のかぐや姫伝承あるいは山麓諸社縁起系富士山縁起しか扱っておらず、両者での描写が「月」や「富士山」の一般的な認識を示しているとは言えません。
 つまり、富士山縁起以降の「月」が全て神仙世界として機能しなくなったということでもなく、また一方で富士山縁起以降の「富士山」が必ずしも神仙世界として捉えられていたということでもないと考えています。今回は月と神仙思想との関わりについて、中世以降のことは調べられておらず具体的な例は挙げられませんでしたが、富士山縁起以降、一般的に「月」が神仙思想との結びつきを完全に持たなくなった訳ではないというのが私の認識です。


by history-sophia | 2020-12-29 18:20


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